昨日までは、最近自分がやっていて疑問に思ったことなどを解決するというブログを書いてきました。
今日は実際に僕が看護をしていて印象に残っているエピソードを一つ話したいと思います。
今の病院に入るとき面接でも話しました。このエピソードで受かったかはわかりませんが、面接をするときには心惹かれる2.3個エピソードを持っていると強いと思います!
面接の経験談などはまたの機会に話したいと思います。
それでは今日の看護の小話!
はじまりはじまり~
インシュリン注射のおばあちゃん
80代ぐらいのAさんというおばあちゃん。
この方は糖尿病を患っていて、入院していました。この方どうしてか、いつも看護師や先生と話すときなど少しおどおどした表情をしていました。
病棟に入院してくる高齢の方々はかなりの割合で、認知症を持っているので、他の看護師は
「この人も認知症入ってるんでしょ」
と、よくそのおばあちゃんのことを申し送りなどで話していました。
僕もAさんが入院してきた当初は「そうなのかな」と思っていましたが、毎日関わっていく中で、どうもそれにしては受け答えもしっかりしているし、会話を忘れているなんてことも少ないなと思っていました。
そして入院してから数日後、2型糖尿病だということで、インシュリン注射を開始しました。
インシュリン注射とは血糖値を下げる薬です。
糖尿病の患者さんは血糖値が高いため、血糖値を下げなければなりません。
(血糖値が高い状態がずっと続くと、糖尿病合併症である糖尿病神経障害・糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症などを引き起こしてしまったりします。←糖尿病三大合併症といわれるものです!)
なので退院して家で生活するということになっても継続してインシュリン注射をする必要がある人もいます。
Aさんは退院後もインシュリン注射が必要な患者さんでした。
自宅では打ってくれる看護師や先生はいないので、入院中に自分で打てるように練習して退院します。Aさんは治療自体は終わっているため、インシュリンが自分で打てるようになったら退院ができると先生は言っていたのですが一向に退院できる気配がありません。
しかしAさんはいつもおどおどしていて、説明をしても注射に慣れませんでした。
平均的に2・3日である程度理解してくださる患者さんが大半なのですが、この方は1週間程練習をしてもインシュリン注射を自分で打てるようにはなりませんでした。
実は、看護師にも落ち度があります。
インシュリン注射は食事の直前に打つため、看護師のお昼休憩に行く時間にどうしてもかぶってしまいます。
そのため、バタバタと忙しない中で説明をするので、ゆっくり説明することができませんでした。
急かすことなく、丁寧に教えてあげなければいけないのですが、みんながみんなそんな優しい看護師でもないので、
「やっぱりあの人自分で打つのは無理だって、先生に無理って言った方がいいでしょ。」
みたいな話をしている看護師もいました。
僕は、なぜAさんはおどおどしているのか、どうしてほかの方より時間がかかってしまうのか、疑問思って、すべての仕事を早めに終わらせて日勤終わりの17時ごろ、Aさんの部屋に行って話を聞きました。
僕「Aさん今不安に思っていることありますか?」
Aさん「インシュリンがうまくできるようになりません」
僕「それだったら今からとことん練習しましょう!」
Aさん「でももう終わりの時間ですよね」
僕「そんなの気にしないでください!どれだけ時間かかってもいいので、今日できるようにしちゃいましょう!」
Aさん「そんな、私のために、、、ありがとうございます。じゃあお願いします。」
そうしてそこから約1時間も練習しました。
インシュリン注射の練習をしている中でずっと疑問に思っていた「どうしていつもおどおどしているのか」ということについて聞いてみると、
「いつも忙しそうに走り回ってるから、どうしても話しかけたら悪いなと思って」
と話していました。
僕はこの時看護師が患者さんにこんなことを思わせてしまっていたのかと本当に申し訳なさでいっぱいになりました。治療のために入院しているのに、逆に気を使わせていることにこの上なく罪悪感を感じました。僕はこの話を聞いて、どんなに忙しくてもいくら先輩に効率悪いといわれても、何を言われようとも、足を止めて患者さんの話を聞くということを決心しました。
僕はそれまでも、いくら忙しくても涼しい顔して、患者さんに接するように心がけていましたが、やっぱり患者さんには伝わっているのだな~と思いました。( ノД`)シクシク…
そんな話をしながらも、インシュリン注射をする手順を細かくメモをして、そのメモを見ながら練習しました。
できない部分や細かい作業のところを何度も何度も繰り返しているうちに、”なんと”一人でできるようになったのです!
一人でできた瞬間!
Aさんは泣き崩れてしまいました。
Aさん「やっとできるようになった。本当に、ほんとうに、ありがとうございました・・・(´;ω;`)ウゥゥ
私なんてもうできないと諦めていたぐらいなのに・・・
もうなんてお礼を言ったらいいか・・・
あなたに会えてよかった。本当にありがとう。」
この言葉が僕の胸にぶっ刺さりましたw
僕ももらい泣きをしそうになりながら
「よかったですね!僕も本当にうれしいです。」とAさんの背中をさすりました。
次の日
「なんかあの人インシュリンできるようになったんだけど!昨日練習たくさんしたんだって!」
と次の日の受け持ちの看護師が先生に驚きながら話していました。
後でAさんの部屋にこっそり行き、やりましたね!!!!と二人で喜びました。
めでたしめでたし。
最後に
いかがだったでしょうか?文章力無さ過ぎて読みにくかったと思いますが、ここまでついてきて頂きありがとうございました。
これが看護師という職業のやりがいというやつだ!!とその時初めて思いましたww
僕はこのおばあちゃんに本当に感謝しています。
他の看護師の人の態度を見ていると、目に余る行為や言動をしている人もいます。
僕は看護師一年目で「自分には何もできない。果たして患者さんの役に立っているのか、」と毎日葛藤している中での出来事だったので僕にとって本当に価値のある経験だったと思います。
一年目の自分は無力で、何もしてあげられることができない、という思いを捨てられるきっかけになりました。
先輩のようにはテキパキ動けない。先輩のようには疾患を理解できない。
でも自分にもできることがあるということを教えていただきました。
今は2年目の看護師として働いていますが、今の自分にしかできないこともあるのではないかと思います。1年目に自分が思っていた「無力さ」や、「何も役に立っていないのではないかという思い」は今の僕が一番分かってあげられる自信があります(^▽^)/
僕は新人にしかできないこともあると思うんですよね!(例えば、一番最近まで国家試験の勉強をしていたから、最新の知識を持ってるとか、あと業務に慣れていないからこそ、業務の方法に疑問を抱いたりとか)
新人には新人。ベテランにはベテランにしかできないことがあり、それを活かしていくことが、看護をよりよくしていく中でとても大切なのではないかと思っています。(なんか、看護のことをこんなにも語ろうなんて思ってなかったのに熱くなってしまいましたw(-_-;))
自分にしかできないことを見つけながら無理しない程度にこれからもマイペースに頑張っていきたいと思っています!
最後までご覧いただきありがとうございました!
このように看護師の小話や最近の出来事、その他諸々の話などブログで書いていきたいと思っています。
また是非見に来てくださいね!(^▽^)/待っています!
それではまた明日!




